青色オード・ミー

腐女子が学級会などに言及するブログです。

創作者に人格を求めないでほしい

 創作をする上で、人格は重要か?

 私は必要項目ではないと思っている。


 不思議と、素晴らしい作品を作り上げる人に関して、きっといい人なんだろうなとか、それこそ顔がいいんだろうなとか、と私は結構勝手に思うタイプで、そういうタイプであることを自覚している。
 それは漫画や小説の中に出てくる、類まれなる才能を持った主人公にクズみたいな人間はおらず大体が美男美女だからだ。ただ、それは物語の中だけにしか存在しないことも知っている。

 実際の現実世界で素晴らしい作品を作り出す人は、まったくもって正反対なのではないかと私は思う。
 素晴らしい作品の内容にもよるが、周りと画一した新たな世界を自分に与えてくれるような作品というのは、それだけで特異だ。今まで自分の常識で想像できなかったものを作り出した人を、自分に想像できるだろうか? 答えは否だと思っている。だから、そういう作品の作者が、自分では推し量れない領域にいる人であっても驚かない。

 それに、今までの文学史をみてみても、その歴史に名を刻む人たちの中でのクズの多さには目を見張る。
 文学史自体は得意ではないので高校授業で教えられた知識しか持ち合わせていないが、その中でも自殺未遂をしなければ文豪には慣れないのではないかというほど、当時の文豪は自殺未遂を重ねていた。あるいはそのまま、失敗なのか成功なのか自殺で命を落としている人も多い。
 そんな人が、普通の人間かと言われたらそんなことはないと思う。大げさな言い方をすれば人間ではないし、自分と次元が違うところにいるものだ。


 これから書くことはあくまで、二次創作界隈だからかもしれない。でも、読者が作者を捕まえて「この時こういう対応をしてくれなかった」といった話を聞くことがままある。
 それを聞くたびに思う。何を言っているんだろうと。

 私が同人作家に求めるのは、あくまで素晴らしい作品であって、それ以外には要らない。もちろん、イベントで好きな作品を買いに行ったらそこで嫌な思いをしたことはあった。でも、それは期待しすぎた自分が悪いのだと思うようにしてきた。

 もちろん、人格者であればそれはいい。作品は素晴らしい、なおかつ人もいい。そんな人は沢山いるだろう。でも、作品が素晴らしくても、人がダメ。そんな人も沢山いるはずなのに、そういう人に遭遇するたびに文句を言う人は何を求めているのだろうと思ってしまう。作品を好きになったはずなのに、作品を嫌いになる。その原因が作品そのものではなく、作者だなんて。

 素晴らしい作品と人格、そのどちらが欲しいかと言われたら素晴らしい作品だ。利己的だが、人格は腹の足しにもならないが、素晴らしい作品は妄想によって幸せになれる。

 もちろん、創作者同士で交流する場合には、相手にある程度の良識がないとフラストレーションが溜まるとは思う。萌え語りはしたい、でも、私は相手に人格を求める自分になりたくないがゆえに創作者と交流することをあえてやめている。
 言ってしまえば、創作者の人格は破綻していると私は思っている。

 こんなことを書いてしまっている時点で私も自分で人格に難があることは自覚している。そんな私は、二次創作といえども作品を作る側として今も供給し続けている。
 そして私の友人で創作活動をしている友人二名も、もれなく人格としてはどこか問題がある。しかも二人の作品には心動かされるし、実際にピクシブなどでの評価も高い。ただ、本当に、友人の私から見ても、人としては問題があるタイプだ。

 まさに類が友を呼んだということでこう言い切るのも問題があるが、しかしリアルで知り合った実例がこうなので私は素晴らしい創作をする人に人格を求めてはいけないと自戒にしている。

 読者として、作品以外のところも素晴らしくあれと思うのは、偶像崇拝などに近く、勝手な理想の押し付けは向こうからしてみたら迷惑以外の何物でもないと思う。そんなことを言われても人は人、また性格に難がある可能性が高い創作者に何を求めているのだろうか。

 こんな人だと思わなかった。そんなことを言うぐらいならば、最初から作者のことなんて知らなければいいじゃないか。作品と作者を切り離して考えればもっと楽に生きられるのに。それに何より、自分が好きな作品を「作者の人がダメ」という理由で貶められるのを見るのが辛くてこの記事を書いた。

 作品と作者は違う。どれだけ美少女を描けても、本人がブサイクなんて何の不思議もない。そう言えば理解をしてもらえるのだろうが、人格者であることは大前提になっていように感じ場面が多々ある。

 創作者に人格を求めないでほしい。
 もしも「この人が嫌い」と創作者に対して思ったら、一度創作者そのものからは離れたほうが、純粋に作品を楽しめるのではないだろうか。